新たに公布された法令文書
2025年2月28日、ベトナム天然資源環境省は、産業廃水に関する国家技術規格 QCVN 40:2025/BTNMT を添付した通達第06/2025/TT-BTNMT号を正式に公布しました。

本新規格は、下記を含む複数の現行国家技術規格(QCVN)を一括で置き換えるものです:
- QCVN 25:2009/BTNMT - 固形廃棄物埋立地の廃水に関する国家技術基準
- QCVN 28:2010/BTNMT - 医療廃水に関する国家技術基準
- QCVN 29:2010/BTNMT - 石油倉庫・ガソリンスタンドの廃水に関する国家技術基準
- QCVN 40:2011/BTNMT - 産業廃水に関する国家技術基準
- QCVN 01-MT:2015/BTNMT - 天然ゴム初期加工廃水に関する国家技術基準
- QCVN 11-MT:2015/BTNMT - 水産加工業の廃水に関する国家技術基準
- QCVN 12-MT:2015/BTNMT - 製紙・パルプ産業の廃水に関する国家技術基準
- QCVN 13-MT:2015/BTNMT - 染色業の廃水に関する国家技術基準
- QCVN 60-MT:2015/BTNMT - バイオエタノール製造廃水に関する国家技術基準
- QCVN 63:2017/BTNMT - キャッサバ澱粉加工廃水に関する国家技術基準
- QCVN 52:2017/BTNMT - 鉄鋼製造廃水に関する国家技術基準
施行日および経過措置
- 通達第06/2025/TT-BTNMT号は、2025年9月1日より施行されます。
- ただし、移行期間を設けるため、第3条(経過措置)において以下のように明記されています:
「すでに操業中の施設、または環境影響評価報告書の審査結果が承認されている投資プロジェクト、あるいは施行日前に環境影響評価報告書の審査・環境許可証の発行・環境登録のために正当かつ完全な申請書類を提出した事業は、それぞれの生産・サービス業種および地方自治体の規定(地方技術基準を含む)に基づき、2031年12月31日まで現行の排水基準を適用することができます。」

この規定により、既存の事業者には最大6年間の移行期間が認められます。
QCVN 40:2025/BTNMT の主な改定ポイント
(1) 汚染物質の基準値をより詳細に規定
- 旧QCVN 40:2011/BTNMTでは、基準値は「A列」と「B列」に区分されていました。
- A列:生活用水源への排水
- B列:非生活用水源への排水
- 新QCVN 40:2025/BTNMTでは、A列・B列・C列 の3区分に分けられ、排水の受け入れ先の用途 に応じたより詳細な基準が設定されました。
(2) Cmax(最大許容濃度)計算の廃止
- 従来、各汚染項目について Cmaxの計算 が義務付けられていました。
- QCVN 40:2025/BTNMTでは、Cmaxの計算義務を撤廃し、代わりに:
- 規格内の 表1および表2に定められた限界値 をそのまま参照すればよい形式へ変更されました。
(3) 一部項目の基準値変更と新たな指標の追加
- 一部の汚染物質については、基準値が調整されています。
- 特に、TOC(全有機炭素) 指標が新たに追加され、今後は CODの代替指標として使用可能 となります。

通達第06/2025/TT-BTNMT号の全文はこちらをご覧ください:全文はこちら
参考資料:本通達により置き換えられる旧規格一覧
- QCVN 25:2009/BTNMT - 固形廃棄物埋立地の廃水に関する国家技術基準
- QCVN 28:2010/BTNMT - 医療廃水に関する国家技術基準
- QCVN 29:2010/BTNMT - 石油倉庫・ガソリンスタンドの廃水に関する国家技術基準
- QCVN 40:2011/BTNMT - 産業廃水に関する国家技術基準
- QCVN 01-MT:2015/BTNMT - 天然ゴム初期加工廃水に関する国家技術基準
- QCVN 11-MT:2015/BTNMT - 水産加工業の廃水に関する国家技術基準
- QCVN 12-MT:2015/BTNMT - 製紙・パルプ産業の廃水に関する国家技術基準
- QCVN 13-MT:2015/BTNMT - 染色業の廃水に関する国家技術基準
- QCVN 60-MT:2015/BTNMT - バイオエタノール製造廃水に関する国家技術基準
- QCVN 63:2017/BTNMT - キャッサバ澱粉加工廃水に関する国家技術基準
- QCVN 52:2017/BTNMT - 鉄鋼製造廃水に関する国家技術基準