電気自動車用充電設備・充電ステーションに関する技術基準 QCVN 32:2026/BCT の主な改正点とは?通達第61/2026/TT-BCT号への適合ガイド
2026年9月29日、商工省は、電気自動車用充電設備および充電ステーションに関する国家技術規則(QCVN 32:2026/BCT)を付属規則として定める通達第61/2026/TT-BCT号を正式に公布しました。本規則の制定は重要な節目となるものであり、急速に拡大する全国の充電ステーションネットワークについて、インフラの標準化、電気安全の確保、火災・爆発の防止を目的とした強固な法的枠組みを構築するものです。
1. QCVN 32:2026/BCT の適用範囲
QCVN 32:2026/BCTは、最大電圧が交流(AC)1,000 Vまたは直流(DC)1,500 Vのバッテリー式電気自動車(BEV)および外部充電式ハイブリッド車(PHEV)に使用する充電設備および充電ステーションについて、技術要件および運用管理要件を明確に規定しています。企業は、適切な投資計画を策定するため、適用範囲を明確に区分する必要があります。
項目 | 適用対象 (QCVN 32への適合が必要) | 適用除外 (対象外) |
設備の種類 | 公共充電ステーション、集中駐車場、休憩施設 | ワイヤレス充電設備、IC-CPD充電設備(モード2)、車載充電設備 |
使用目的 | 公共向けの商業的な充電サービスの提供 | 家庭内の専用充電ステーション、商業目的で運営されない専用充電ステーション |
設置場所 | 屋外または独立した屋根付き施設の下 | 建築物の地下階または半地下階に設置される充電ステーション |
適用対象事業者 | 製造事業者、輸入事業者、商業用充電ステーションの運営事業者 | 研究、試験または展示を目的とする社内専用充電ステーション |
2. 技術安全、消防および運用に関する主要要件
QCVN 32:2026/BCTでは、以下を含む厳格な技術的安全措置が定められています。
緊急時の電気安全対策: 最もアクセスしやすい場所に緊急電源遮断機構を設置することが義務付けられています。また、システムには過電流保護、短絡保護および残留電流検出装置(RCD)を組み込む必要があります。
消防法令への適合: 電気安全基準に加え、充電ステーションはQCVN 06:2022/BXDおよびQCVN 10:2025/BCAに基づく消防安全要件を厳格に満たさなければなりません。
インターフェースの使用言語: 国内消費者の権利および安全を保護するため、ソフトウェアの制御インターフェース、表示画面および充電設備に設置される操作案内板には、すべてベトナム語を使用することが義務付けられています。
3. 適合認証に関する規定(CRマーク)
本規則の適用範囲に該当するすべての電気自動車用充電設備および充電ステーションは、国内で製造・組立されたものか、商業目的で輸入されたものかを問わず、品質評価試験を受けていない場合、市場に流通させることは認められません。
基準に適合した製品には、適合証明書が発行され、適合マーク(CR)を表示しなければなりません。また、運営事業者は、技術管理マニュアルおよび記録を整備するとともに、サービス料金、充電出力および充電ステーションにおける事故対応手順を公示する責任を負います。
4. 既存充電ステーションに対する経過措置および移行スケジュール
通達第61/2026/TT-BCT号は、2027年7月1日に正式に施行されます。事業活動への支障を回避するため、商工省は以下の移行スケジュールを定めています。
建設工事中の充電ステーション: 投資主体は、未設置の設備・構成部分に関する設計を自主的に見直し、調整を行い、検収および供用開始前にQCVN 32への適合を確保しなければなりません。
2027年7月1日より前に運用を開始した充電ステーション: 企業は、通達の施行日から6か月以内に、すべての安全要件への適合状況を確認する必要があります。違反が発見された場合、企業には改修および是正を完了するため、最長24か月の期間が認められます。
QCVN 32:2026/BCTの制定は、電気自動車産業の標準化に向けた必然的な取り組みです。一方で、特にQCVN 06:2022/BXDを含む既存の消防関連技術規則との並行した照合作業が必要となることから、投資主体にとっては、検査・評価費用や充電インフラの改修・更新費用という大きな課題も生じます。